ワールドカップはSか、Мか


ダビデ 先生、いよいよ、ワールドカップですね。
    今回は日本代表、どこまで行きますかね?
    あれ、先生、どうしたんですか?ソワソワして。

ノンジ いやあ、こっちも来たんだよ。
    四年に一度の世界の祭典『ワールドМカップ』が。
   
ダビデ 何ですか、その、禍々しい名前は。

ノンジ あれ?知らないの。世界中のМが集まって、しのぎを削るという大会だよ。
   知ってるかね。私、世界Мランク22位なんだよ。
   どうしてもなあ、勝てないんだよ。世界の壁が。

ダビデ あれ?先生、ワールドМクラッシックって、野球のほう出てませんでしたっけ?

ノンジ あれは優勝しただろう。

ダビデ じゃあ、掛け持ちって事ですか。

ノンジ 違うよ。二刀流って事だよ。
    しかしね、今回は死のグループに入っちゃったから大変なんだよ。
    まず、人間風車の異名をとるオランダのツバイセン。
    南仏・ヌーディストビーチ出身・ヘドラー。
    あと、食らいついたら放さない中国のパク。
    そして江戸川の落し子・私だな。

ダビデ 先生だけちょっと規模が小さいですね。

ノンジ まあ、でも今年は秘策があるから。

ダビデ お。どんな秘策ですか?

ノンジ 着物だよ。着物。
    
ダビデ はあ?

ノンジ 今まで私、レーザー製のコスチュームを着ていったんだが、
    ブカブカで似合わなくて、芸術点が下がっていたんだよ。
    だから今回は和の着物で、ふんどし締めて、挑もうと思ってるんだよ。
    ちょっと、今、日舞踊るから見てて。『人生五十年……』

ダビデ 先生、ちょっと踊るの止めてもらえますか?
    どこでやるんですか、その大会。

ノンジ え。武蔵小山。

ダビデ 世界規模の大会なんですよね。

ノンジ いやあ、当日はね、やけに道混むからさ。早めに来たほうがいいよ。

ダビデ ああ。まあ。行かないと思うけど。
    どっちでもいいんで、ワールドカップがSかMか決めてもらっていいですか?

ノンジ 緊張するなあ〜〜。

ダビデ ダメだこりゃ。