フリスクはSか、Мか


ダビデ 先生、久しぶりにファックスいただきました。

ノンジ あ。これ、まだやってたんだ。すっかり終わったと思ってたわ。

ダビデ お便りの住所は、岩手県のイーハートーブ――

ノンジ お。宮沢賢治か?俺もよく読んだなあ。インポ鉄道の夜。
 
ダビデ そんなタイトルじゃないと思いますけど。

ノンジ あいつって『雨にも負けず、風にも負けず。でも笑っていたい』って完全にМだろ。
    それとあれだな。注文の多い風俗店も増えたな。

ダビデ もう、いいですか。
    フリスクはSかМかという事なんですが……

ノンジ フリスクな。私も好きでね。やっぱり気になっちゃうんだよ。臭いが。
    でもあれだよ。私は風俗行ってもキスしないよ。怖いから。病気が。

ダビデ ああ、はあ。
    で、どっちなんですか?

ノンジ どっちかなあ。どっちだと思う?

ダビデ ボクとしては、くさい口にミントの香りを運んでくれるワケですよ。
    ある意味、癒しなんで、癒しのМって事なんじゃないですか?

ノンジ Мに癒しなんてないんだよ。Мは奴隷なんだから。
    それあれだろう。O型の女が『私、AよりのOだから』っていうのと一緒だろう。
    気持ち悪い。関係ねえよ。バカ野郎。
    だいたい、癒しなんて必要ないんだよ!
    
ダビデ 先生、ちょっとどうしたんですか?

ノンジ この間、飲みに行った女が『私、精神的にМなの』っていうから、
    『じゃあ、縛っていい?』って聞いたら『そういうのはイヤ』って言いやがってさ。
    なんだよって精神的なМって!そんなもんないって!

ダビデ ちょっと相当、荒れてるみたいなんで、フリスクはドローという事で。

ノンジ 肉体的なМって言うのに会ってみたいよ!