ボンゴレ・ロッソ
「ちょっと新しい演技を思いついたから来てくれ」
と、流山ダビデから緊急召集がかかりまして。
普段から新しい演技の探求に余念がないダビデ氏ですから、
何かきっとすごいことでも思いついたのだろうと、
用事もそこそこに切り上げ、かけつけると
上記の↑ような格好をしてダビデ氏が。
名前は「ボンゴレ・ロッソ」
メキシコ生まれのイタリア育ち、現在は湘南の海の家で
カクテル作りをしてるという設定。
そこまで聞いた時点で、これは失敗だと直感する私ですが、
せっかく来たので最後まで彼の言い分を聞きます。
「実は、作るカクテルも大して美味くない」
と言いながら、腰を振ってシェイカーをカシャカシャやります。
「ホントは、
ノンジ先生にもらったシェイカーをカシャカシャやるのが
面白くてしかたがないだけだろ」
とズバリ指摘すると
バツの悪そ〜な顔をしながらこちらを見て
弱々しくカシャカシャします。
カシャカシャで気持ちを表現するのやめなさい。
しかしそれこそが彼が思いついた新しい演技だという。
全てをカシャカシャで語るのだそうだ。
ならば、ということで
シェイカーを無理やり取り上げると
↓このように固まった。
そして何やらこちらに攻撃的な態度を見せる。
攻撃的でありながら悲しそうな目をするので、
なんだか子供からおもちゃを取り上げたみたいで
かわいそうにも思える。
しかたなく、シェイカーを返すと
嬉々として踊るようなカシャカシャが始まった。
わたしはそのまま部屋を出ましたが、
扉の向こうからはしばらくの間、
うれしそうなカシャカシャが聞こえてました。
確かに、カシャカシャで気持ちは伝わる、と思いました。
(川越フーコー)