ダビデの秘密


最近、風邪をひいたダビデですが、
先日のミーティングの際にも薬を服用していました。
ところがご覧ください↑(上記写真)
ただの風邪にしては薬の種類が多すぎやしませんか。
そのことを指摘すると

「オレすぐ扁桃腺が腫れちゃうからさぁ。
 それに薬も多めにもらってるし」

と、どこか悲しげな笑顔を見せて話します。

わたしはピンときました。

ダビデは何か隠してる。

そう思ったわたしは、遠まわしに遠まわしに
“風邪”の症状を聞きますが、
「もう大丈夫」
の一点張りです。

その後、映画の話になってダビデは

「昨日、私の頭の中の消しゴムっていう映画を観たんだ」

そう言ってどこか遠くを見つめます。

私の頭の中の消しゴム
と言えば、主人公が若年性アルツハイマーに冒されていく話です。

普段そんな映画をひとりで見ることなんてないのに。

わたしはピンときました。

ダビデはホントの病名を誰にも言わないつもりだ。
ホントのことを言って心配かけたくないんだ。

わたしの見間違いでなければ、
この日のミーティング中、ダビデの目にはうっすらと光るものが
あったような気がします。

しかしその他はいつもどおりでした。
いや、いつもどおりに振舞うダビデがいました。

わたしはピンときました。

ダビデはわたしを心配させまいとして明るく振舞っているんだ。
あくまでホントの病名は伏せておくつもりなんだ。


次回の予定を決め、
お互いのスケジュールを確認するとその日は解散となりました。

席を立とうとするダビデは苦しそうにポツリ

「風邪がぶりかえしてきた・・・」

熱っぽいとも言っていました。
やっぱり体への負担が大きいんだ。
それを無理してミーティングなんて・・・。

わたしは決心しました。
ダビデが自分から言わない以上、ホントの病名は聞かない、と。
そしていつもどおりソラミミ兄弟としての活動を続けていこうと。
続けられるまで、続けていこうと。

わたしはその帰り道、ひとり号泣しました。

(川越フーコー)