うさぎはSかMか


ダビデ 先生、新年あけましておめでとうございます。

ノンジ あけまんこおめでとう。

ダビデ 新年早々、下品ですね、先生。

ノンジ これ、はい。お年玉。

ダビデ ちょっと頭にキンタマのせないでください。
    それより今年はうさぎ年なんで、うさぎがSかMか教えてください。

ノンジ うさぎ?私、大っ嫌い。

ダビデ え?何でですか?可愛いじゃないですか。 
    ペットで飼っても鳴かないし、フンも臭くないし。
    あと、うさぎは寂しいと死んじゃうんですよ。

ノンジ 何、言ってんだよ。私だって寂しいんだよ!
    毎年冬はね、暖房のない部屋で下半身あらわにして自家発電してるんだよ!

ダビデ 先生の寂しい話、今関係ないですから。

ノンジ 誰か私を飼ってくれよ!

ダビデ それ、もう、意味分かんないですよ。
    でもウサギって言ってもいろいろあるじゃないですか。
    ほら、昔、『碧いうさぎ』って歌とかもありましたよね?

ノンジ ああ、ノリピーが歌ってたやつだろ。
    でもノリピー寂しくて、薬に手出しちゃったじゃないか。

ダビデ そういう事言っちゃダメですよ。
    あれ?なんか、うさぎに嫌な思い出でもあるんですか?

ノンジ うん。あれは高度経済成長期の頃かな。

ダビデ あれ、先生いくつでしたっけ?

ノンジ 私?団塊の世代。

ダビデ え?じゃあ、もう60って事か?おかしいなあ……

ノンジ でね、聞いてくれる。
    私は卒業したてでさ。大人の仲間入りをしたくて、キャバレー行ったんだよ。
  
ダビデ ああ、まあ、そういう時期ありますからね。男ですから。

ノンジ だろ。でさ、新宿のね、上海ローズっていうキャバレーに行ったんだよ。

ダビデ ああ、時代ですねえ。

ノンジ たださ、私、学生服着てっちゃったんだよ、詰襟の。
    そしたら、すぐに黒服に追い出されちゃってさ。

ダビデ 昔の人って学生服が今のスーツみたいなモノだったんですね。

ノンジ そうだよ。正装だよ、正装。あ、こっちの精巣じゃないよ。

ダビデ 何言ってるんですか、気持ち悪い。

ノンジ でね。追い出されたんだけど、キャバレーの裏通りで、学生服を脱いで、
小脇に抱えて、開襟シャツで行ったんだよ。
    右手に学生服、左手に万札だよ。
    そしたら、すんなりだよ、すんなり。 
    いいかい、君。金で買えないモノはないんだよ!

ダビデ ああ、まあ、はあ・・・で、どうしたんですか?

ノンジ で、席ついたら、いよいよ登場だよ。バニーガールが。
    私の可愛いウサちゃんね。

ダビデ ああ、そこでウサギが出てくるんですねえ。

ノンジ 私ね、キャバレーって、最後までイケるモンだって思ってたから、
    スルスルとズボンを脱いで、ご開チンしたの。

ダビデ ご開チンって、え?脱いじゃったんですか?

ノンジ いけないかい?
    私ね、トイレ入って大便する時も全部脱いじゃう派だから。

ダビデ 知らないですよ、そんな事!
    で、どうしたんですか?

ノンジ 決まってるだろう。ウサギと亀がいるんだから、競争だよ。

ダビデ 何も決まってないですよ!だいたい擬人化にもなってないですよ!

ノンジ それでね、私がね、♪もしもし亀よ、って歌った瞬間だよ。
    そのメスうさぎが、私の亀にね、水をひっかけやがってさ。
    冷たくて首引っ込めちゃったよ。
    まあ、半分くらいは埋まってるんだけどね、皮に。

ダビデ 何笑ってるんですか、気持ち悪い。

ノンジ それ以来、うさぎを見ると首を引っ込めちゃうワタシがいるんですよ。
     ああ、寂しい。