プロ野球経営が破綻するこれだけの理由


先日、本屋に赴きまして↑↑の本を見つけ即購入致しました。
「ベンチがアホやから」の名言は何十年経っても色あせないエモヤンこと江本氏渾身の一冊。
即読了しましたが、まさに真実。
プロ野球の旧態依然とした古き考えに警鐘をならす、革命本ではないでしょうか。
深く球界の体質(ジャイアンツ偏重、既得権に走る経営者など)をエグッていて
痛烈に批判をしていますが、もちろん新しい制度への提唱も行われていて
ただ、単純に批判だけをしているわけではなく、国家規模で野球を守ろうとしている
エモヤンの熱意とチェンジの気持ちが紙面からほとばしっております。
読み応え十分。帯には名将野村監督の推薦付き。

エモヤンのプロ野球再生策
○プロ野球の一体化
○球団運営のための豊富な資金の確保と安定した経営
○地域との密着
○リーグ再編成
○日本版メジャーリーグとマイナーリーグの整備
○プロ・アマの壁の撤廃
○ドラフトとFAの改革
○国民的娯楽への再生
○選手、監督の意識改革
○米国のメジャーリーグとの関係

等など歯に着せぬ物言いで球団にはもちろん選手、監督、ファンにも
野球に対してのレベルを一段階でも二段階でも上げていこうと提唱しています。
サッカー協会の制度にも触れて、サッカー事業の見事さにも賞賛しています。


冒頭エモヤンが「今の野球界は幕末に似ていると思う。鎖国の中で300年続いた徳川幕府は、
時代の流れについていけなくなったにもかかわらず自己改革をせず
体制を維持することばかりに躍起となった結果、崩壊した。(中略)
歴史が示すように今のプロ野球には『大政奉還と明治維新』は必要なのだ。
私はそのための捨石になってもいいと思っている。
坂本龍馬、勝海舟といった幕末の志士のように、日本のプロ野球界にも、
将来を見据えて抜本的な改革に取り組む人材が現れて欲しい」

差し詰め今のエモヤンは江戸期にあっての水戸学の藤田東湖か長州の松下村塾の吉田松陰か。
厳しい幕府(球界)の弾圧に負けないでもらいたい。

しかしながら、現在「翔が如く」を熱心に読んでいるワタクシとしては
急な改革は世論を得られず、不満と不平を呼ぶことはこれもまた歴史が証明している。
明治政府の腐敗を嘆き、薩摩の西郷を抱き西南戦争まで発展し、日本人同士が
血を血で洗う国家紛争の終焉を迎えたわけだ。
このことを踏まえて改革を断行する人材が増えて、真に野球を愛する朋輩が
より良い制度で新しいながらも古いファンや新しいファンを取り込んで
楽しめる野球環境を作っていって欲しいと切に願うばかりである。