バイキング娘


ドリンクバーとか、スープバーとか、
飲み放題、食べ放題には目のない私ですから、
こんなおっさんとはなんの接点のない
二十代のあのコが、バイキングが好きだと聞いて
正直浮足立ったのは事実です。
ただでさえ好みも思考も違う世代なのに、
そんな共通点があったなんて
おっさんにはこんな喜びしかないんです。


ただ、バイキングと言ってもいろいろあります。
彼女が好きなのはケーキバイキングであって、
いくら私でも、ケーキの食べ放題には行きません。
どちらかというと私は甘いものが苦手なのです。

でも、せっかく見えた光を失いたくなかったのだと思います。
拙速にケーキバイキングの約束をしました。
そしてダビデのせいでそれはなくなりました。
しかしそれでよかったのかもしれないと、
今は思います。
もしあの時、ケーキを食べ放題していたら・・・。
そう考えるとダビデに感謝するべきかもしれません。

その後、約束を取り直して彼女と餃子の食べ放題へ行きました。
本来、わたしはいろいろなものを選べる、という点で、
ドリンクバーやバイキングが好きなのですが、
餃子しかない、というのは違うのではないか・・。

しかし仕方がありませんでした。
ケーキでないなら餃子に行きたい
そう彼女が言うもんですから。
私は彼女と一緒に過ごしたい一心で
バイキングなどもうどうでもよかったのかもしれません。

その挙句の果てが、このようなザマです。
彼女の前で最悪の失態。
青ざめた私の顔を見る、彼女のひきつった笑顔が忘れられません。

(↑写真は、私があのコの話をすると途端にテンションが下がるダビデ氏。
  頭上に迫る冷やし中華とともに)