合コン地獄変 その1


先日、夏の暑い盛り、朋輩のフーコーと打ち合わせ中に合コンの話しになった。

すでに壮齢を通り越し、老齢を向かえ、何なら棺おけに片足を突っ込んでそうな
この男、生まれてこのかた合コンに行ったことがないらしい。

「私もいい加減良い年齢なのだが恥ずかしながら今まで合コンと云うものに参加したことがないのだ
一度その合コンとやらに行ってみてもいいかなと思っているのだが…」
と聞いてきた。

別に恥ずかしいことじゃない。合コンなんてやらなくたって立派になった人は沢山いるぞ。

「そうかも知れないが、一度は経験しておきたい。私のステージを一段上げるためにも」
とのたまう。遠まわしに合コンにスゲェ行きたい。と聞こえる

まぁ合コンなんて子供の戯言だよ。行くだけ無駄だ。と議論を終わらせようとすると

「頼むよ…ここで行かないと二度と行けないかもだろ?冥土の土産にさ」
などと縁起でもないことを云いだす始末。

冥土って。そんなに合コンを神格化して、行って大して面白くなかったらがっかりするじゃないか。
としたたかにたしなめると。

「頼むよ。行きたいんだ。合コン。出来ればそこで生涯の伴侶を見つけることが出来れば…。」

何云ってんだよ、コイツ。気持ち悪いし面倒くせー。
「分かった、分かった。何でもいいなら一応聞いておくから。」
と気もない感じでこたえると

「本当?いやぁ良かった!嬉しいよ。ありがとう…」
となんだか本気で結婚相手でも見つけたいらしくこちら側が少し罪悪感にかられてしまった。

「まぁあんまり期待しないでよ。ワタクシも年齢的に合コンとかやってる場合じゃないし
聞いて無理なら諦めてくれよな」
とあまり期待させないように念を押しておいた。

それでも、合コンが出来る嬉しさで↑↑の写真のように
年甲斐もなく嬉しそうにする様は愛憎に似た、それのようでもあった。

まさかこの数日後、あんな地獄の合コンを経験するとは…

(続く)