怒りの矛先


ダビデ氏はマナーの悪い人を許せないようです。
電車で荷物を座席に置いていたやつがいただとか、
歩道いっぱいに広がってぺちゃくちゃしゃべって歩く女学生だとか、
ダビデ氏は人様へ迷惑をかける無神経な輩を許せません。

この前もこんなやつがいた、
などと話しながら、思いだし笑いならぬ思いだし怒りが増してきて
↑写真のように憤懣やるかたない様子になります。

よく考えてみれば、我々のやってることは
世の中の誰の何の役にも立っていないが、
誰の迷惑にもなっていない。たぶん。

となるとダビデ氏の言動は終始一貫してるわけで、
この無意味な撮影が何かのお墨付きをもらった気分にさえ
なってしまう。

そんなことを考えているとダビデ氏が鋭く言い放つ

「いいか、人間の存在は本来無意味なんだ。
 人間が勝手に意味を作り出そうと必死なだけだ。
 無意味が、本来の姿なんだ」

私 ・・・。

「by、シャアアズナブル。」

それは嘘だ。
シャアはそんなこと言ってはいない。

ここにきてなんでそんなウソを挟むのか、
小一時間問いただそうとすると、

「さて、野菜ジュースでもいただくとするか」

と言って席を立ってしまう。

そうなると、シャアのことばかり気になって
何かもっと良いことを言ってたような感じだけが残って、
はて、なんだっけか?
となってしまうのです。