戦力外通告


先日、朋輩のフーコーと打ち合わせ中に、人生における戦力外通告とは?という議題になった。
無論、ペナントレースも佳境を迎え、優勝争いやCS進出に向け
各球団がヒートアップしている最中、人知れず戦力外通告を受ける選手もいる。
新聞には自由契約になる選手や、引退して球団職員になる選手、
はたまた、まだまだ自分の力を信じてトライアウト受験を念頭におく選手など
本当にプロとは云え、華やかではない世界、食うか、食われるかの弱肉強食がそこにはあるのだ。
だが、自由契約になり、他の球団に行き、見事にカムバックした選手もいる。
今年のホークスの中継ぎを勤めた金澤健人投手だ。
環境が変わり、メンタル力も上がり、あのタイガースにいた頃とは思えないくらい素晴しい成績を収めた。
戦力外通告と云えども、そこには悪い印象だけではなく、人生を一からやり直す試練と
人間性を鍛える場でもあるのではないかとワタクシなんかは思うわけで。

ダビデ「どうだろうか。我々なんかは色々な意味で人生の戦力外通告を受けていると思うが?」

フコ「そうだね。仕事もパッとしないでブラブラしながら動画撮影をし、
少ない金で安く腹一杯になるサイゼリアでハンバーグを食う。
かなり前にどこかで戦力外通告を何らかの形で受けているだろうね」

ダビ「うーん…なるほど。いつ、誰に云われたのだろうか?」

フコ「世間的にじゃない」
クリームソーダを食べながらにべもなく言い放つ。
内心ワタクシはイラッとしながらも

ダビ「世間とは面妖な。世間様から恨まれるようなことはしていないぞな、もし」

フコ「でもさ、よくよく考えたらだよ、まず我々は戦力になり得ていないのではないか」

核心だ。
なんとも核心をつくフーコー。
今日のフーコーはいつもと違うと思ったがそんな核心部分。
聞きたくない部分を話し始めるとは。
辛い。
正直辛い。
草野球もおぼつかないワタクシ達だから、どこの、誰の戦力にもなってないのは自明の理。
せめて誰にも迷惑をかけぬよう、粛々と動画を撮る以外に我々には選択肢がないのではないか。

ダビ「そうだな。誰かの戦力になってから考えるようにしよう。
そのクリームソーダ美味そうだな。ちょっとくれよ」
と頼むも

フコ「少しは私の戦力になってから云うんだな」
と断られてしまった。

なんだよコイツ。