ダビデ氏よりクレーム


正月三が日も過ぎ、いったいいつまで正月気分でいられるだろうと
思案し始めた頃、ダビデ氏より急な呼び出し。

何かと思ったら、

「なぜ年賀状をよこさないのか」

ということだった。
今まで、ダビデ氏に年賀状を出したことはないし、もらったこともない。
2人とも年賀状というものからここ何年も遠ざかっているのだ。

あれ?ダビデ氏はうちに出した?

と聞くと、

「出してない、フーコーの住所を知らないのだ。
 フーコーは私の住所を知ってるだろ。
 だったらまずはフーコーから出せよ。」

ダビデ氏は今回、ひさしぶりに年賀状を作った。
作ったから出したくて仕方ないのだ。
それはわかる。その気持ちはよーくわかる。

でもダビデ氏の年賀状に載っているダビデ氏の写真を撮ったのは私だし、
その後パソコンで作成するのもつきあった。
全体のデザインも、あーでもないこーでもないと議論した。
写真もあれがいいこれがいいと相談した。
最終案が2つに絞られたところで解散となったが、
その際に試しにプリントしたものをもらった。

いわば私もダビデ年賀状の当事者。
気持ちは、ダビデ年賀状を出す側なのだ。

試しプリントは大事に持ってるよ、
とカバンの中から出してみせようとしたら、

あれ?
ない。

どうやら持ち帰ったつもりで持ち帰ってなかったらしい。

カバンの中をひっくり返す私にダビデ氏は

「そうではない、そういうことではない。
 やりとりすることが大事なんだ、年賀状というのは」

年賀状から遠ざかっていたとは思えないほど
ダビデ氏の言うことは正しい。

私もすぐに納得し、今からでも出すということになったのだけど、
私は私の年賀状を作っていない。

そこでダビデ氏に

私も、ダビデ年賀状をダビデに出してよいか?

と聞くと、さすがにややたじろきながらダビデ氏

「しょ、しょうがないな。じゃあ、これ使え」

とダビデ年賀状をくれた。

そんなわけで、流れとしてはまず私がダビデ氏にダビデ年賀状を出して
その返信としてダビデ氏がダビデ年賀状を私に出すということになりました。

(↑写真は「ダビデ年賀状をくれ」と言う私に怒りを抑えるダビデ氏)