私たちはノロマだ


先日、いつもの撮影の帰り最近お気に入りの天井が高く、光の入り方が良いデニーズで
遅い昼メシになった。
二人で飯を食い終わり、ドリンクバーでカフェラテなんぞを飲んでいると
やおら朋輩のフーコーがトツトツと話し出した。
フーコー「あのな、モテ期って一体なんだ?」

ダビデ「モテ期?モテキじゃないのか?」

フーコー「モテ期だろ」

ダビデ「言い方は合ってる。だが字的にはモテキだ。全部カタカナのはず」

フーコー「そのモテキってどういうことなんだ?」

ダビデ「ワタクシにも良く分からんが、往々にして人生に激しく異性からモテる時期があるらしい」

フーコー「ふむ」

ダビデ「総じてそれをモテキと云うらしい。人生のある時期に女性から言い寄られたことないか?」

フーコー「ない」

ダビデ「モテキは3回くるらしいから残りの人生で後3回くると思えばいいじゃないか」

フーコー「なるほど。得心した。この先まだモテる可能性があるんだな。」

ダビデ「まぁな。少し遅いが我々はノロマなんだから亀のように人生を歩もう」

フーコー「亀は万年って云うしな」

ダビデ「そうそう。亀は万年。鶴は千年」

フーコー「まだまだ人生長そうだな」

来るハズのないモテキと信じて、二人は午後の柔らかい日差しを浴びながら
色あせたカップに泥水のようなカフェラテを見つめるのであった。