自画自賛大会


くだらないことをして、くだらない毎日を過ごす私たちにとって
「自己否定」は欠かせないものでして、
ただでさえロクデナシなのに、
そのロクデナシを自覚しなかったら本当にヒトとして終わりなのではないかと。

「無知の知」とは確かソクラテスの言葉だ。

なので、普段の会話の多くが自己批判だ。

「こんなしょーもない私たちがファミレスに入れていただけるだけ有難い」

とか

「ドリンクバーを飲んだ数だけ懺悔すべき」

「なんなら珈琲の残りカスでじゅうぶんですよ」

とか
その日の撮影を振り返っては

「こんなことしたってね、不毛ですよ、不毛」

「そのとーりだこのやろう、いい年したオッサンがね、バカじゃないかと」

悲しく暗い話題だが、我々にとってこれが意外と盛り上がる。


それがこの日、
たまには自分たちを褒めてみようじゃないか、
嘘でもいいから、自画自賛でいいから自分たちの良いところを
挙げてみようじゃないか。

ということになり、

こっぱずかしさを押し殺しながらまずはダビデ氏

「・・・・髪が、生えてきた」

つづいて私(フーコー)

「・・・エスカレーターじゃなくて階段を使うようにしてる」



・・・。



違う、違うぞ、そういうことではない、
育毛効果とか、健康に気を使うということではない、
もっとこう、なんていうか、自分たちを偉大と仮定することだ。

しかし、何も出てこない。
何も、思いつかない。

自らを褒めることが出来ず意気消沈したデニーズの午後2時。

(↑写真は、沈黙に耐えかねてうどんに箸をのばすダビデ氏)