和風ハンバーグと男爵ポテトコロッケ〜日替わりランチ〜


↑写真は、その日ダビデが頼んだデニーズの日替わりランチ
「和風ハンバーグと男爵ポテトコロッケ」である。

おもむろにダビデが言う。

「おい、フーコー。このハンバーグとコロッケを我々に置き換えるなら
 どっちがどっちだ?」

私「うーむ。昔はよく濃い顔をソース顔、うすいのを醤油顔なんて言ったから
おのずと和風ハンバーグはダビデで、そのソースがかかったコロッケが私だろう」

ダビデ「なるほど、しかしこのコロッケに関しては“男爵”という爵位がついている。
貴様にその資格があるかな」

私「ないな。それを言うなら、我々はこの皿の主役であるハンバーグでもコロッケでもなく、
せいぜいその、キャベツとトマトくらいの存在ではなかろうか」

ダビデ「貴様は正解を言ってしまったな。それでは夢も希望もない。せめて
皿の上では主役を妄想してもよいのではないか」

私「フフフ、ダビデよ。いつものように自分たちを卑下するパターンと思ってるだろ」

ダビデ「?違うのか?」

私「違うな。私はこう考えている。今は添え物的な存在のトマトとキャベツが
いつか主役を奪う。ハンバーグとコロッケが我々の添え物になるのだ」

ダビデ「ほほぅ、珍しく鼻息荒いな」

私「つまり、名前も“トマトとキャベツのランチセット”」

ダビデ「内容は同じなのに急にヘルシーな感じになるな。ライスは大盛り無料か?」

私「そうだ、無料だ。大盛りライスはいわば、我々を取り巻く満員の観衆だ」

ダビデ「ライスさえ大盛り無料であれば異論はない。
心置きなくハンバーグとコロッケを食せる」

私「待て、主役は我々だぞ。ライスは我々に喝采をおくるのだ」

ダビデ「し、しかしライスはキャベツと一緒には食べないぞ
ハンバーグとコロッケこそライスと・・・」

私「つまりあれか。我々が主役なのに観衆が求めるのはハンバーグとコロッケか」

ダビデ「そ、そういうことだな・・・」

私「・・・」


自らが招いたとはいえ、たどりついた結論のむなしさに
意気消沈するデニーズ午後3時。