毒を食らわば皿まで


先日のことだ。
ご存知の通り我々はファミレスに良く行く。
いつだったか格安イタリアン「サイゼリア」でパスタジャンボリーを開催した。
パスタジャンボリーは楽しい。
二人でめいめいのパスタを注文し、食べる。
合言葉は「パスタ?」「ジャンボリー?」「トスカーナ!!」だ
これは盛り上がる。
二人がパスタを頼むということもそんなにないから
共にパスタでアルデンテのパスタを鼻先まで持ち上げ食す。
まるで場末のサイゼリアが風薫5月のフイレンツェにいるようだ。
時間はゆっくりと流れていく。店の外には午睡を楽しむ犬が良い夢を見ているようだ。

またやりたいと思っても二人同時にパスタというわけにもいかない。
示しあって食べるのも気恥ずかしい。
「今日パスタジャンボリーやりたいからパスタにしないか?」とは
口が裂けてもいえないのだ。

そしてその日がきた。
場所はサイゼリアではない。
ジョナサンで二人共うどんを頼んだ。
これはまさに、「うどんジャンボリー」が開催できるのではあるまいか?と
ワタクシは朋輩のフーコーにうどんジャンボリー開催の是非を求めた。
けれども頑として譲らなかった。
その辺りの詳細は先日のフーコーの記事に譲る。
ワタクシは漫然とせず、合言葉うんぬんの辺りが気になり
独自で合言葉を考えてみた。
「うどん?」「ジャンボリー?」「香川!!」
「うどん?」「ジャンボリー?」「手打ち!!」
「うどん?」「ジャンボリー?」「シコシコ!!」
どうもしっくりいかない。
確かにフーコーの云うとおりパスタのようにはいかない。
それでもジャンボリーの楽しさを追い求め
「うどん?」「祭り?」「讃岐!!」にしてみようと提案した。

するとフーコーはそれを無視して黙然とうどんをすすってしまった。
ワタクシはそれを唖然としながら見つめるしか出来なかった。
食い終りフーコーは
「おぬしは勘違いしている。うどんが全て讃岐風ではないだろう?
とりあえずで言葉を使ってもらっては困るんだ」
温くなったアイスコーヒーを飲み干してから云われてしまった。

完全に頭にきたワタクシは一人でうどん祭りを開催。

こうなったら一人でもうどん祭りを盛り上げるしかない。
ダビデ「うどん?」
ダビデ「祭り?」
ダビデ「シコシコ!!」
最後を間違えながらワタクシは一人でこの祭りを続けていこうと決めたのであった。


毒を食べてしまった以上は、その毒を盛った皿までもなめる。
罪悪に手を染めた以上は、徹底的に罪悪を重ねる、という意味