気持ちは若くありたい

ワタクシは年齢にはして若いと自負をしている。
それは無論、自信過剰なワタクシの性格からしてもそうだし
時より訪れる風俗店の風俗嬢にも「もう40なの?みえなーい」などと
お世辞の体を己に信じ込ませることでもうかがえる。

自分でも認め、風俗嬢もそう云ってくれる。

だからワタクシは若いのだ。と

だが↓↓の写真を見てゾッとした。


誰だこの爺さんは?
口元に運ぶアイスを食いづらそうに、おぼつかない手でナイフとフォークを使い
銀のフォークを危なげに口に突き刺すこの翁は誰であろうか?

間違いなくワタクシだ。
紺のネルシャツを着込み、その中に人気AV嬢「晶エリー」直筆のTシャツを着ている。
この男は間違いなくワタクシだ。

気持ちは若い。
16歳の頃の新鮮な気持ちでいる。
逆にワタクシは16歳の頃は自分が若く、何もかもがワタクシの為にあるとは思えなかった。
むしろ、その頃の16歳にしてはいささか老成していたんじゃないかと思う。
それに引き換え今のワタクシは無敵だ。
まだ自分の人生は始まったばかりだとさえ思っている。
まだ何もしてないじゃん?
俺、これからじゃん?
などと、言い換えれば「逃避」を行っているわけだが、
それが今のところ己の無敵さを物語っているいようだ。

だがこの写真を見る限り、若い気持ちは一気にしぼんだ。

うろんな目つき、迫り来る薄毛の予感。
おぼつかない口元。
もうやめよう。
自分が若いと思うことは。
若い気持ちを引き締めることで、己を戒めよう。

しかし、また訪れる風俗店で嬢に「40なの?みえなーい」つって色々忘れてしまうのだ。
だからまたフーコーにワタクシの年老いた写真を撮ってもらおうと思う、
庭のあじさいが、雨に美しく濡れている梅雨の日々