合掌のゆくえ


我々にとって合掌とは、
万物すべてのものに感謝の意を表する行為である。

だから日常の中では食事の前に合掌することが多くなる。
作物の実り、生産者、そして食事を給してくださる全ての人、モノに
感謝するのである。

合掌の瞬間には上の写真↑のとおり、
その人の全身から凛とした風を感ずるかのごとくである。

同じ合掌でも、人にお願い事をするときの合掌がある
 ↓

このような姿からは清廉さは微塵も感じられない。
己の欲求を完遂することのみに支配された俗物そのものである。
我々の中ではこれを合掌とは呼ばない。


蛇足ではあるが、先日の初禁煙席での合掌はこれ
 ↓

いつものように感謝の意こそ感じられるものの、
“初めての禁煙席”という慣れない環境に心は乱れ、
動揺が口もとにあらわれている。
本人はいたっていつもどおりの面持ちであると思っていても
合掌という、偽りを隠すことのできない、
まるで全面鏡張りの中に心を置くような状況では、
このように、その有り様が如実にあらわれてしまう。

合掌。