豆腐ハンバーグ山


写真↑はまたも頼んでしまったジョナサンの豆腐ハンバーグである。
こうして見ると、器という山脈に連なる名峰のようである。
私がめざすのはあの豆腐ハンバーグの頂。
山頂付近には雪が積もり、綺麗な三角錐を際立たせている。

地元で雇った山岳ガイドは言う

「アノヤマハ、トテモムズカシイ」

数々の名登山家が挑み、
登頂成功を成し遂げたのはごくわずかという。

私は山岳ガイドに言う

「私は、カラダに気を使って豆腐ハンバーグを選ぶのではない、
そこに豆腐ハンバーグがあるから選ぶのだ」

難しいからといって普通の牛肉ハンバーグにするわけにはいかない。
そもそも具体的にどういう難しさなのだ。

「タベモノニキヲツケルダケジャダメネ
ウンドウブソクモカイショウシナイト」

ぐ、ぐぅ。
た、確かに運動は足りていない。
こんな体力では登頂は厳しいのか。

「エキクライハ、カイダン ヲ ツカイナサイ」

そ、そんなことは分かってる。
心の中で反論しながら、ベースキャンプを設営するのである。