飽きることのない自問自答

画像 278d.JPG

ワタクシ達は風采の上がらない自分たちを呪うことにも飽きてきたようで
この日はお互いのどこでもいいから褒めてみようということになった。
(年に何回かの確率でこの行事を我々はやる。そうしないと本当に失踪でもしちゃいそうだから)
ダビデ「本当にフーコーは筋目が良い。世が世なら一流の志士になり
維新回天を成し遂げた男になるだろう。何?剣術も使えるのか?そりゃすごい」

フーコー「何をたばかるダビデ殿。ダビデ殿のその人を喰ったような物腰。
人を煙に巻く天才ではなかろうか。時代が幾分遅すぎたようだ」

ダビデ「何のおまんの技術なら戦国時代でも名だたる大名になったであろう。天晴れ」
フーコー「いんや、主のその口八丁手八丁ぶりなら、町の随一の町人になったであろう」

ダビデ「待て。何だよソレ。もっと褒めてくれないかな?妄想でも幻想でも何でもいいから
もそっと俺を褒めてくれ。現実逃避できないじゃないか」
フーコー「いいか。今の我々がいかに幕末や戦国時代に生きたとしても今とたいして変わりがない。
何なら真っ先に死ぬのがおちだろう。それをわきまえた役柄で褒めようとしてるのではないか」
ダビデ「いやじゃ。ワシはもっと天下に名だたる武辺者でいたいんじゃ」
フーコー「齢、40手前でタップダンスを習う貴様如きは街中で武士に斬りつけられて
桶に頭を突っ込んでるのが相場だ。私は剣術の心得があるから、簡単にはいかんがな」

こんな風に妄想でもワタクシはひ弱だったのか。
だが、このままオメオメと引き下がるワタクシではなかった。

ダビデ「そうなると今の我々には嫁もいなければ子もおらぬ。我々の代でお家は取り潰し
後々の世までに子孫が絶えるとなると、今ここにいる我々は一体何なのだ?
まさか異星人でもあるまい。我々がこうして生きている以上、我々の祖先は
どこぞの武家の出であったのかも知らん。もうこのような妄想はやめて
今、生きる喜びを噛み締めようじゃないか」

と正論をのたまうと↑↑の写真のようにくずれ
フーコー「そうだな。我々も早く子孫を残すように、今からナンパでもしてくるか?」

と少し違うニュアンスで夜の街に繰り出すでのであった。