新型うつ


NHKスペシャル「職場を襲う "新型うつ"」を拝見した。

現代型うつとも言われるこの新型うつは若者に多く、職場でのささやかな挫折や壁にぶつかって“うつ症状”を発症するといいます。
通常のうつと違うのは、職場ではうつ症状となるが、職場以外ではそうではなく、旅行や趣味に活動的になれるので、周囲からは怠けに見えるところが特徴らしい。

番組内ではいろいろな人が登場し、いろいろな意見を言っていましたが、答えは江川紹子さんがズバリ言っていた。

“今まで大人は子供のために校則とか、理不尽なことを取り除いてきたが、実際、世の中に出ると、理不尽なことばかりで、子供はそれに対応することができなくなってしまった。今まで子供たちにしてきたことは間違っていたのではないか”
(意訳)

1時間近くの番組もこの一言ですんでしまうほど御名答。他の人のどの意見もピンとこなかった。

子供を育てるのは家庭であり、学校であり、国。理不尽なことを排除して教育しても、やがて大人になって出ていく社会は、魑魅魍魎がうごめく理不尽なことだらけの世界。
免疫がないのだから、倒れてしまって当然。子供たちのためにと思ってしたことが
逆に子供たちを苦しめるという皮肉な結果。
理不尽のない世界で育てたのなら、一生理不尽のない社会で暮さないと。

番組では、そんな若者へどう対処したらいいか戸惑う大人世代の様子も紹介されていた。

逆に思うのは、我々の世代が引退し、この若者世代、いわゆるゆとり世代が社会を動かすようになった時、どのような職場環境となるのだろう。
理不尽なことを知らされず育てられた世代が作る世の中に理不尽はないのだろうか。

といっても、これは一部の若者でしょうしね。
例えば部活動をやっていた子供はある程度の理不尽さを知ってるでしょう。泥水も清水も浴びながら人は成長していくのです。

(↑写真は、人生自体にゆとりがない2人。 陽さえもあたらなくなってきた)