命を削って食す


40歳を過ぎたとなれば、
地元自治体からは
「健康診断を受けろ、安くするから」
と案内状が届き、体の衰えを数字として突きつけられる。
そんな年頃のわたしなどは、
サッポロ一番 キングカップ 広東麺 などという
大きいサイズの即席めんを食べることにはかなりの勇気を要する。
これだけ食べたらどれだけカロリーを摂取してしまうんだ、
それ以前にこれ、全部食べられるのか。

しかしそれでも食さねばならない。
一度食べたいと思ったら、もう後には戻れない。
恐れと欲望の果てしない葛藤の中、
己を奮い立たせて食す。
男には、闘わなければならない時があるのだ。