そうさ僕らは旅に出る
いつものようにサイゼリアに行き、昼飯を食べ、ドリンクバーで紅茶やコーラを飲みほし
何なら甘いものを食べたいとなり、ティラミスなんぞを食いながら
不条理な世の中を恨んだり、嘆いたりしていると
「どこか、旅に出ないか?」
と気まぐれにフーコーが言い出した。
「旅いいね!どこに行く?」と私
フーコー「そうだな。伊豆はどうか?」
根本「伊豆かぁ…」
フーコー「いやなのか?」
根本「嫌じゃないけど…何かな。目的は何?」
フーコー「何かいつも同じだろ。動画かユースト撮って喋って」
根本「まぁね。でもそれも魅力の一つだろ?」
フーコー「代わり映えのしないことがか?」
根本「そういうわけなじゃないけどね」
フーコー「新しい土地に行って、新しい環境に身を置くことで、
更なる芸術性がアップするんじゃないかな?」
根本「え?それ旅じゃなくない?引越しじゃん?」
フーコー「どうだろう?貴様引越しでもして気分を変えて心機一転人生をやり直すのは?」
根本「何の話なんだよ!」
フーコー「これから伊豆に住んで、新しい生活を始めて、そこで動画を撮影するんだ」
根本「貴様は来るのか?」
フーコー「たまに遊びに行く」
根本「なんだよ!要するに貴様が伊豆に遊びに行きたい口実を俺が受け持つだけじゃないか」
フーコー「まぁまぁ。旅行先で誰かがいると安心するだろ?そういうのが欲しかっただけなんだ」
根本「田舎の親戚のうちに行くみたいな感覚な!あれって安心感あるよね」
フーコー「それを担って欲しかっただけなんだ」
根本「知るか!」
そんな話をしつつ、ソーサーを挙げてコーヒーをすするフーコーなのだった。
(落ちなし)