今の若者は賢い

ズボンを腰の低い位置まで下げて履くファッションが流行って？いる。
特に若者の間で、ひどいときには腰というより尻の半分くらいまで下げて、パンツも見えている。もちろんこのパンツも“見せる”ことを意識してのことである。
パンツが見えることも含めてファッションなのだ。
40をとうに過ぎたおっさん＝わたしでもそれくらいはわかる。

日本人は足が短い。わたしが若いころは、この短さをいかに“長く”見せるか、というのがファッションの重要なテーマだった。たとえば、股下が深いものはズボンのウェストが上のほうにくるので足が長く見える。そういう風にしてカッコつけていたのだ。

しかし今の若者は私たちから見たら逆転の発想だ。短いものを長く見せるのには限界がある。実際、それは錯覚であって、短いものは短い。
ならば、逆に短いまま、それをカッコよく見せればいい。それが、今の若者の“ズボンを下にずらす”ファッションなのだ。
これにはおじさんの目からもウロコが落ちた。なるほど、ズボンを下にずらすことでむしろ本来の足の短さよりもさらに短く見える。しかしその短さをズボンのルーズさに置き換えることでファッションとして成立させているのだ。

歳をとった今の私は、足が短いかどうかという点はあまり興味がなくなってしまった。
そこまで考えてズボンを履いていない。しかし今、それとは別の問題に直面してることは事実だ。それに今の若者から学んだことを当てはめると

少ない髪を多く見せることより少ないものを少ないままカッコよく見せること。

こういう結論に行き着くことになる。
ありがとう、若者たち。