殺し屋K

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追い詰めたのはとある組織の幹部。
頭はキレるイヤな男。
組織の金を横領し、もっとデカイ組織を作ろうとしたらしい。
もちろんボディーガードは6人。
屈強な男達が四六時中守っていやがる。
それも、結局俺にかかればホットケーキをひっくり返すくらい簡単だ。
全員始末して、奴がいる部屋へ。
逃げる奴を追い詰め、近くの駐車場で
「金をやるから殺さないでくれ!」ってさ

いつだって小心者の俺だから、死ぬのは怖いし、死にたくない。

そんな風に考えても殺し屋稼業からは足は洗えない。
生きたいから、殺すのか?殺されるから殺すのか?

そんな矛盾を日々考えながら、足を洗ったときのことばかりを考える。

名前を捨て、年齢も忘れ、11番目のKと呼ばれている。

足を洗ったら、南国の海辺でパンケーキ屋を営みたい。
こだわった卵。質のいいミルク。
はちみつも上等なカナダ産。

毎日、パンケーキを焼きながら暮らしたい。

「おい!聞いてるのか?100万$で、お前を…」

俺の弾丸が奴の眉間にくいこむ。

「俺はK。ただのKだ」

なんてことを妄想している梅雨の夜