夢の国のサイゼリヤ


ディズニーランドのお膝下、舞浜駅に我らがサイゼリヤがオープンした。
ディズニーランドといえば夢の国、現実から離れ苦しみも悲しみもない世界だ。
一方のサイゼリヤは、あえて言うなら現実満載な世界だ。
企業のたゆまない努力によって価格は安く抑えられ、
客は財布という現実を直視しながら、
安くておいしいものを1円単位で計算し、注文し味を堪能する。
いわば現実の中の癒しだ。
ディズニーランドでは、夢心地な良い気分に財布もゆるみ、
小銭をにらみながらの現実的な計算など野暮、
その分出費も多くなり、家に帰って夢から覚める。
現実の生活を送りながら「またいつか夢の国へ」と願う、
文字通り、夢の中の癒しだ。

私からしてみたら、同じ癒しでありながらその立ち位置は対局、
この両者が接近遭遇したことは異種格闘技にも近い。

舞浜駅は、ディズニーランド、シーの園外ではあるが、
そのデザイン、駅員さんの制服にいたるまで
まだ“夢の続き”を演出している場所だ。
その夢の中に、サイゼリヤが入った、とも言える。

私はまだこのサイゼリヤ舞浜駅前店へ実際に行ってはいない。
店内はどんなだろう、ミッキーやミニーの帽子をかぶった
老若男女であふれているのだろうか。
アリスの衣装を着た子供がドリンクバーへジュースのお代わりを
取りにいくのだろうか。
それはなんともSFチックな光景、ともいえる興奮の図。
いつものサイゼリヤのように、小遣いの少ない高校生たちが
最安を目指した注文構成で談笑してるのとは違うのだろう。
いつかは根本氏を誘って行ってみたいと思う。ディズニーランドではなく、
サイゼリヤ舞浜駅前店に。