その扉

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寒くて仕方なくて、そのあたりのビルの外階段にもぐりこんだ。
手が、かじかんでいて、タバコに火をつけるのも、もどかしい。
ようやく点いた紫煙を巻き上げ一息ついて、ふとドアを見ると何か張り紙がしてある。
意識は朦朧としていて、そこに書いてある文字が古代文字のように頭に入ってこない。
どうしたって、生きる意味なんてない人生だった。
誰からも愛されていないと思い込んで、人と距離を置いて生きていた。
職もない。
家族もいない。
振り返る価値もないオレの人生。
そんなことを考えながら目の焦点を合わせて、扉の文字を認識していく。

そこには見えたものは?