禁煙問答
禁煙をすればするほど己を見つめざるをえなくなり、
もんどりうつ根本氏。
私はそんな彼に問うた。
「そもそもなぜ、タバコをやめようと思ったのか」
彼は言う。
「タバコが、発毛によくないと思うからだ」
私はさらに問うた。
「では、ホントに発毛しようと思うなら、タバコをやめられるはずだ。切迫する毛髪量を考えれば、禁煙は緊急で重大な課題だ。しかし育毛より喫煙が上回るということは、お主にとって毛髪とは
それほどではないのではないか」
ここで根本氏は気付いた。
問うた私も気付いた。
我々は、自らの薄毛を便利に利用しているのではないか。
ここ一番で笑いを取りたいとき、薄毛を利用してはいないか。
それは実に便利なツールなのではないか。
かなりの毛を失っているが、実はそれによって得ているものがあるのではないか。
逆にこれからフサフサになることがあったら、それと引き換えにひとつの“武器”を失うのではないか。
しかしここでさらに気付く。
いやいや、そんな武器はいらん、フサフサでモテモテのほうがいいわい。
(↑写真は「かぎたばこ」を手にする根本氏。 歯ぐきに密着させて使うらしいが、少しピリピリするという。注意書きには、かぎたばこの使用はあなたにとって口腔がんの原因のひとつとなり・・・と書いてある。絶句する根本氏)