ハゲしさと、優しさと
根本氏と会った時、ヤツの第一声は
「ハゲた?」
私は
「ハゲてないハゲてない、全然ハゲてない」
もはやこれがあいさつがわり。
日常会話になってる。
悲しい状態だ。
一方、若い女性を笑わせたくて
自らハゲねたを持ち出すと
「そんなことないですよ」
と真顔で答えられてしまう。
おどけたつもりが真面目に取られて
笑うどころか微妙な感じになって意気消沈してると気が付かないが、
次の瞬間
え、そんなことないの!?
わたくし、髪フサフサなの!?
と、彼女の言葉をあらためて受け止める。
いや、それは違う、彼女は私に気を使ってるのだ。
無いものを、あると言ってるのだ。
優しさか、これは優しさなのか。
しかしそれは嘘をついているのと同じだ。
ウソも方便か?方便ってこんな時に使うものなのか。
「あはは」
って笑ってくれればそれで済んだのに
彼女の気遣い?によって人間と
そして自らの毛量に不信感を覚えることになった。
そして根本氏には「ハゲてない」と切り返す。
この両刃の剣を振り回して生きていくのだ。
(↑写真:そんなことを考えて飲むアイスコーヒーはあまりにホロ苦い)