恋のサイゼリヤ


ここ最近、一番よく行く街道沿いのサイゼリヤ、
行くときは午前中に行くのですが、
必ず見かけるおじさんがいます。
いや、おじさんとは失礼、私よりは若いと思います。
おそらく30代後半。
まじめそうで、しかしまじめがゆえに垢抜けない感じの男性。
いつも私のハンバーグが運ばれてくるころ来店します。
作業着らしきものを着てるので
おそらく仕事中、早めのお昼ということでしょう。

そしてこのサイゼリヤには美人の店員さんがいます。
年はおそらく40歳前後で、若く見えるというわけではありませんが
年相応の綺麗な女性です。

まだお昼の混雑時間帯前なので店員さんも少なく、
この美人店員さんが主にフロアを切り盛りしてます。
前述の男性が入ってくると美人店員さんは
「いらっしゃいませ、いつもありがとうございます」
と挨拶するので、彼はおそらく頻繁にここへ来てるのでしょう。
そして注文が決まり、かの美人店員さんが彼のもとへ行くと
メニューを見ながら品を伝えつつ、話を広げてるのが分かります。

その様子を見て私は思いました。
あぁ、この男性は美人店員さんに気があるな、と。

話を広げると言っても、注文と関係ない話をしてるわけではありません。
メニューについての質問とか感想とか、サイゼリヤに関する何かのようで、その範疇を出ることはありません。
美人店員さんも笑顔で答えます。
一見、なごやかな感じですが、店員さんの受け答えの感じからすると
悲しいかな、この男性に気があるとは思えません。
普通の接客の範囲で、懇意な感じはしません。
こちらは遠くから眺めているだけなのに、それはわかるという・・。

でも男性の話のふりかた、話題のチョイス、話し方は全然嫌な感じがしません。
いかにも口説いている、という感じがしません。
彼の真面目さがよく表れています

そんな彼にとってのチャンスは3回です。
「お決まりになりましたらお呼びください」の時、注文を取りに来る時、そして品物を運んでくる時。
しかもそのすべてに彼女が来るとは限らないわけですから
チャンスはさらに少なくなる。
そもそもその日にいない、ということもあるでしょう。
最初は注文の範囲内での話でいいと思います。
それを少しづつ積み重ねて徐々に話が脱線していければ上々です。
「いつもありがとうございます」と言われる段階には来ている。
ここまでは順調。今はまだダメでも、いつか振り向いてくれる日がくるかも。

彼の恋の行方に目が離せません。
そして密かに、応援しています。