サイゼリヤ探訪 ~視線をさえぎるもの~


私は常々、店内に明るく陽がさし、窓からの眺めがいい店舗を所望している。
それはまるでパリのシャンゼリゼ通りに面したカフェーで、
外へ開け放たれたオープンな店先の椅子に腰を下ろし、
通りを眺めながらエスプレッソをくゆらすことにも似た体験をしたいからだ。
ちなみに私は、シャンゼリゼ通りはおろかフランスにすら行ったことはない。

サイゼリヤにオープンカフェのような作りはないが、それに近い造りの店舗には
出会ったことがあるし、今回の店も通りに大きく窓を取ってあって
なかなか良い感じだ。
入店すると、まず窓際の席からすすめられ、ますます気持ちがいい。
おかげでパリジャンの気持ちでいつものハンバーグを注文する。
そしておもむろに通りへ目をやろうとすると、ちょうど目の前が
曇っていて外を見ることができない。
目の高さのとこだけ曇るようにしてあって(↑写真)
外を眺めるにはかがんで下からか、立ち上がって上から見るしかないのだ。

わたしのパリーな感じは一気に崩れてしまった。
思えば、サイゼリヤに限らずせっかく窓を大きく取ってあるのに
こうして目隠しをするような店は多い。
いったいこれはどういうことなのか、一度膝とひざを付き合わせて問うてみたい。
大久保 店