ダビデとはしご
「部長~もう一軒行きましょう!僕良い店知ってるんです」
なんてやりとりが聞こえてきそうなはしご酒。
屋上ではしご昇りレースが開催されている。
もうレスキューだ。
やる種目が既にレスキューの域に達しているんじゃないかと思われる。
それでも、厚手のベロアのジャケットを着込み
白い革靴を履き
牛丼の丼より重たい物を持ったことのないワタクシが
誰よりも早く、屋上の更に上へと駆け上がった。
見渡す限りの夏の終わりの空を、胸いっぱいに吸い込み
甘酸っぱい、汗の臭いを嗅ぎながら
夏に別れを告げていた。