おもてなし迷走


先日ミスタードーナッツに入りました。席に座ってドーナッツをほおばっていると欧米系の外国人二人が来店、陳列されてるドーナッツのひとつを指さして店員に話しかけました。
私に聞こえたのは、
「this」と「what」と「inside」
くらい。要はこれは何だ?何が入ってるんだ?ということのようです。
一方聞かれた店員は高校生か大学生くらいの若い男子です。しかしこの学生さん、外人さんの質問に対し固まったまま、ノーリアクション。
おい、学生さんよ、わたしだってこの外人さんが何を聞いてるかくらいわかるぞ、ましてや学生さんは今英語を勉強している年頃だろう。なんか言いなさいよ。
やがて外人さんはあきらめて「OK」と言い、その指さしたものを購入しました。食べてみれば分かる、ということでしょうか。
それにしても学生さん、そこから購入完了まですべていつものマニュアル日本語で対応、唯一「こちらでお召し上がりですか」の時にココという風に下を指さしたのが通じ、「ノー」という返事でテイクアウトと理解したくらい。最後「ありがとう」のところを「サンキュー」でもいいだろ、学生さん。場所は浅草ですから外国人観光客がふだんから多く来てるはず。なのにこのありさまとは。。。

私も学生さんも、使えない英語を学校で習わされたのは事実なので、話せないのは同情するけど、その商品が何なのか、話せないなりに紙に絵で描くとか、身振り手振りするとか、通じるかどうか分からないけどそれくらいのことはやって欲しかった。
つまり、コミュニケーションの問題。
我々日本人は違う言語の人に対すると普段からそういうのに慣れてないもんだから固まってしまう。どうにかしてコミュニケーションを取ろうということすら出来なくなってしまう。だから固まった学生さんの気持ちはよーく分かる。

でも東京オリンピック。おもてなしという言葉ばかりが一人歩きして、実際のおもてなしがどういうものかなんて分かってる日本人はわずかでしょう。
客にヘコヘコするばかりがおもてなし、過剰な丁寧語で無駄に言葉を重ねるだけ、果ては土下座を求められればそれもいとわない。そんなのは接客でもおもてなしでもない。
そして今回目撃したようなシャイな日本人の悲惨なコミュニケーション能力。英語を勉強するのもいいけど、その前にやることがありますね。臆せず接して、どんな形でもいいからコミュニケーションをとろうとする気持ち。まず私たちがやることはそこなのでは?そういう教室があるのなら私も通いたいくらいです。
2020年、たくさんの外国人が来て接した時に初めて気付くのでしょう。あれ?うまくおもてなし出来ない、と。