最高に旨いエア寿司 ~銀座 二葉鮨~


創業明治10年。もともとは江戸時代末期に日本橋人形町にあった「二葉鮨」の流れをくんでる。
※煮きり醤油は塗りません。
小池亜紀夫 氏…五代目

一、インドマグロの大トロ
二、真子鰈 1~2晩ねかせる
三、新烏賊(鹿児島県出水)墨烏賊の子供。新子と並んで夏を代表する江戸前ネタ。
四、春子 湯びきして甘酢で軽く〆る。しっぽ付きで供されるので、取って食べる。
五、煮貝(雌貝鮑)酒と醤油で煮る。握るときに煮ツメを塗ってキモをのせる。
六、鯵(淡路)ネギと生姜をはさむ。これだけは煮きり醤油を塗る(はさんであるので醤油をつけようとひっくり返すとばらけちゃう)鯵は夏が旬。親方「淡路産はブランド」
七、新子 6月中旬から出始める。はしりが好きな客のために5枚づけから始まる。一番美味しいのは2枚づけくらいの大きさ。
八、小鰭 塩で40分〆、酢に漬けてから冷蔵庫で一週間ねかせる。そうすると余分な酢が消える。
九、穴子 4分煮て、握る直前に炙る。
十、玉子焼き 昔ながらの薄焼き。

・シャリは昔ながらの赤酢と塩のみ。砂糖を入れるようになったのは戦後から。
・捨てシャリはしない、握りは本手返し等、昔ながらの江戸前寿司の技法を守る。


<今回のエア>親方は飲み屋のホステスか
エア寿司は鮨そのものだけでなく、店の雰囲気や周りの客も含めたエア店内でいただく。
寿司屋ではカウンター越しに親方との会話を楽しむものだ、みたいな押し付けがましい暗黙の慣習がある。
でもどうだろう。カウンターにいるのは、自分だけではない。ずらっと7~8人は並ぶ。その中で自分だけ親方を独占し続けることは不可能だろう。何しろそこに座る全員が「会話をするもの」と思っているからだ。
しかも常連であることが通のような空気もある。最初に来た常連が「いつもの感じで」なんてそつなく始まったと思ったら、次の客がハワイのお土産を持って入ってくる。その後接待で連れられてきた客は自分の地元の海の幸との比較を話したがる。
これを全員相手しなければならないのか。無理だろう、それは無理だろう。本職は寿司を握ることなはずだ。
人気ホステスが各テーブルでしばらく話しては「ちょっと待っててね」と次のテーブルへ行く、といった具合にぐるぐる巡回してたのを思い出した。
ただでさえ握るのに忙しいのに。握ることに専念できたらもっと美味しくなるのでは、とさえ思った。
寿司屋には、魑魅魍魎がうごめく。

(写真↑ダビデ氏が寿司屋の親方だったら、きっとこんな表情になるに違いない)