最高に旨いエア寿司 ~銀座 木挽町とも樹~



小林智樹 氏…勝どき時代の「さ々木」で修行しました。

一、中トロ(北海道戸井)ハラカミ一番の部分
二、クエ 2週間ねかせ、握る直前に炙る。上に柚子胡椒と酢橘。九州では白身の王様と言われる。
三、海胆(由良産)淡路島由良産は幻と言われる。軍艦で。
四、赤海胆(佐賀県唐津産)握りで。薄く切った奈良漬をのせる。
五、イクラ かつおだし、酒、みりん、濃口醤油に一昼夜漬ける。
六、毛蟹(釧路産)生きたまま25分蒸す。身とミソを混ぜ甲羅につめる。取り出して醤油、胡麻と共にご飯とまぜる。さらに酢橘、花穂紫蘇を加え手巻きに。
七、煮蛤 短時間茹で、ワタを取り、特製の汁に一昼夜つける。
八、穴子 ツメがついてるといつもは箸なのですが、やわらかいので手で食します by 早川氏
九、玉子焼き 海老と鱧のすり身を入れる。
十、おぼろの握り 芝海老のおぼろで。


<今回のエア>銀座マダム
エアは自由だ。エアならザギンでシースーなんてのもお手のもんだ。
となりにいるのはエア銀座マダム二人連れ。ひとりは絵に描いたような金持ちマダム。フレームの端がとがってツリ目のような形をしたメガネ(写真↑こんな感じ)をしてる。もうひとりは庶民的なスーパーで激安品を争って買っててもおかしくないような御顔立ちの金持ちマダム。高級ブランドロゴのブローチが胸に光る。
ふたりとも銀座の寿司屋なんて手慣れたもののようで、ランチタイムながらシャンパンで乾杯なぞしてる。
私はといえば、エアなのだから一番高いコースを選べばいいものを、つい貧乏癖が出て一番安いものを頼んでしまう。となりのマダムたちはもちろん、高いコースだ。
価格差は倍以上あるので、当然出てくるネタも違う。マダム達は海胆だのトロだの、こちらには出てこない王道の高級ネタが続々と登場するのはもちろん、例えば同じネタでも私のほうはそのまま出てくるが、マダム達のほうは表面を炙る、などひと手間多かったりする。
優雅に手で鮨をつまむマダム達を私は羨望の眼で見つめる。早川氏の番組を見てるのと同じく、人が食べてるものを見て「あぁ、美味しそう」と垂涎するのだ。
エアしてるのに、その中でもエアしてしまうというエア内エア。値段による違い、というのを目の当たりにできて勉強にはなったが、格差を痛感するエアでもあった。