最高に旨いエア寿司 ~神楽坂寿司幸~



山田庸二氏…15歳で寿司幸本店に入り、二代目・杉山宗吉に師事。

一、中トロ(大間産130キロ本マグロの血合いぎし部分)
二、鮃(相模湾)釣った直後に野じめ(包丁ではなく、氷など温度で締めるやり方)した鮃。
三、小鰭(東京湾)塩をあて、握る10分ほど前に酢につける。刻んだ海苔をはさんで、レモンをたらす。
四、しめ鯖 酢は表面だけで中は生のままで。そのほうが新鮮で血合いの色がいい。レモンをたらす。
五、煮蛤(千葉県富津)煮たその日に握る。煮ツメは本店から受け継いだもの。「湾内の蛤はやわらかい」
六、赤貝(伊勢)直前にむいて甘酢にくぐらせると新鮮かつ生臭さが消える。「昔は江戸前と言ったら検見川の赤貝」ヒモの部分も握りで。
七、細魚 刻んだ海苔をはさむ。
八、車海老(熊本県天草)握る直前にゆでる。
九、穴子(子安←「江戸前のは顏が小さくて器量がいいねぇ」)こげつかないように炙る。
十、椎茸 杉山宗吉発案の握り。酒と醤油を塗り炙る。ゆずをたらす。

※シャリに砂糖は使いません。


「魚と酢の香りがする寿司屋はダメだな」
ナマ臭さが残る魚を使っちゃダメということ。


<本日のエア>図書委員
エア寿司は鮨そのものだけでなく、店の雰囲気や周りの客も含めたエア店内でいただく。
今回はカウンター席の一番端に姿勢よく座る一人の女性。女性一人というのは初めて見かけます。
若く見えるので二十代、しかし物腰はしっかりしてる感じなので30前後か。眼鏡をかけておかっぱ風?の髪型などから醸し出す雰囲気は図書委員。まじめで、それでいて可愛らしい御顔立ちのしっかり者。静かに本を読む姿は容易に想像できます(あくまで想像)日本酒を飲みながら、少し頬が赤らんでるところなんかはなお好感度アップ。
さらにお決まりなどではなく、お好みで一貫一貫注文してる。そして美味しい時は口に入れると早川光ばりにうなづきながら味わっている。

すわ、かなりの寿司通か。

私はふたつの可能性を想像した。
1、まさに寿司通。女性版早川光とも言うべき鋭い味覚と、知識を誇る。
2、早川光氏の番組を見て江戸前寿司に興味を持ち、こうして通い始めた。

大将にガラスケースの中の魚をひとつひとつ聞きながら注文してるとこを見てると「2」の可能性も高いと思うのだが。早川光レベルなら、切り身を見て何の魚かは分かるはずだからだ。
「1」だったら即弟子入り希望だし、「2」なら親近感が沸いて一緒に寿司の食べ歩き希望。
おじさんのエア妄想はふくらむ。

(写真↑図書委員という言葉に触発され、江戸時代の解説本を引っ張り出してきて読む。そもそも江戸前寿司に興味をもったのは、寿司ではなく、江戸がキーワードだったのだ)