最高に旨いエア寿司 ~御徒町 鮨處 寬八~

山田博(やまだひろし)氏…寿司職人を目指して石川県から10代で上京。20軒以上で修業を重ねる。昭和39年に独立。

一、玉子焼き 芝エビをすり身にし、ふんわりさせるためまず白身を入れてかきまぜた後、黄身を入れる(あまりかきまぜない)昔、最初に玉子焼きを食べた客が「キミのところは海老を入れてるね」「さすがですね、通でござんすね」一日の使用量は50匹におよぶ。
二、中トロ(血合いぎし部分)わさびをたくさん入れるが、中トロの脂と溶け合いちょうどよくなる。わさびの悪い時期はスリ器に長芋を一回だけくるっとする。その上からわさびをおろすといい感じになる。
三、鮃 塩と酢橘で。裏に包丁をいれシャリとなじませる。見えないゆえに隠し包丁。
四、赤身のヅケ 熱湯に2分ほど入れる。水気をとってから一昼夜漬け込む(水を吸っちゃうので氷水では冷やさない)
五、蛤(千葉県銚子) ゆでて、その煮汁を使った汁に一昼夜つけこむ(煮る、ではない)握りは蛤に含ませた汁がシャリに伝わると崩れちゃうので早めに食す。
六、小鰭(東京湾) 片身を2枚重ねて握る。酢橘をしぼって。
七、鰤(富山県氷見) 身が柔らかいので大きめに切りつける。おろし生姜をのせる。生姜はネタの上に広げるようにのせる。
八、槍烏賊(京都舞鶴産の子持ち)醤油ベースの煮汁で甘辛く煮あげ、柚子をはさんで握る。
九、蛸 (神奈川県佐島)桜煮(小豆のつゆを入れる)ではなく柔らか煮。
十、穴子(神奈川県小柴) 昔からの仕事では炙らない。あぶって脂を落としちゃいけない。煮ツメもベタっと塗らず粋にたらす



なるほど寿司屋だから魚かと思いきや玉子での判断とは。
↑写真はいつものサイゼリヤの目玉焼きだが、
これを見て
「キミのところはいい半熟だね」
「さすがですね、通でござんすね」
となるだろうか。いや、通でもなんでもないだろう。