最高に旨いエア寿司 ~再訪・築地さが美~

2015最高に旨い寿司大賞受賞

早川光氏のお好みで十貫
「たいがい〆ものから入るんです」
一、春子 昔はおぼろを挟んだりしてました。今はバッテラ昆布をのせて。
二、小鰭 

「次は淡泊なもの、一番淡泊な貝で」
三、赤貝 冬から春は貝が美味しい。冬といえば赤貝。
四、水松貝

「仕事をしてあるもの」
五、蛤(茨城県鹿島)柔らかく茹で、特製の煮汁に一昼夜漬ける。

「今日並んでる中で一番旬のものを」
六、鮃 海水温が低いほうが美味しい。
七、鮃の縁側

「ゲソ出すところは少ないです」
八、墨烏賊のゲソ ツメを塗って。

「一番気になっていた」
九、真旗魚 昔は鮪より真旗魚だった。旬は桜が咲くころまで。そのころになると南下して美味しくなくなる。

「これを食べないわけにいかない」
十、穴子(長崎県対馬)

シメ…鉄火巻のお茶漬け 崩さずにさっと召し上がれ。

赤の他人だった.jpg

<本日のエア>誰でも友達になれる場所
エア寿司は鮨そのものだけでなく、店の雰囲気や周りの客も含めたエア店内でいただく。
今日のエア店では30代と見られる男女が職人さんを交えて野球の話で盛り上がっていた。
これはよくある光景。私はその男性のすぐ横に座り、相変わらず何もしゃべらず黙々と寿司をいただく。
わたしを含め、皆お決まりなので自動的に握りが出てくる。と、その途中で男性が「●●をください」と自分の食べたいものを注文。女性に対して「あなたもどう?」みたいな一言もないので、そういうさばけた仲なのか、それとも男性が気が利かないのか、少しそこにひっかっかったが、男性が食べてるのを見て女性は「わたしも欲しくなるけど、今日はやめとこ」みたいなことをぼそっと言ったので、どちらかというと兄弟のような気を使わない関係か。
やがて終盤に近づき、男性がひっそりとお会計を所望。さすがにそこはスマートに支払いを済ませた。もちろん女性の分も。とここまでは思っていた。
しかし「ごちそうさま」と男性が立ちあがると女性は帰るそぶりもない。あ、男性はこのあと用事があって先に出て行くんだ、と思いきや、それにしても二人の間には別れの挨拶がない。「じゃあお先に」もなければ「またねー」すらもない。女性から「ごちそうさま」もない。何も言葉を交わさないのだ。
ここまできて私は気付いた。
もしかして、ふたりは赤の他人!?
カウンター席はとなりとの距離が近い。
ひとり客とひとり客は、こんなふうに一緒に会話を楽しんでいいのだ。
寿司屋で友達できるかな。
(写真↑さすがにこれは寿司屋ならでは出来事。サイゼリヤではまずありえまい)