最高に旨いエア寿司 ~日本橋 吉野鮨本店~

1879年(明治12年)創業。屋台から始まり店舗をかまえる。
吉野正敏 氏…五代目親方。大学卒業後、10年修行し実家を継ぐ。

一、小鰭 塩と酢でキツめに〆る。
二、春子 酢と荒塩で10分ほど〆る・。
三、赤身ヅケ 湯霜にして1時間ほど特製の醤油タレにつける。
四、大トロ トロという名は90年ほど前にこの店が発祥。鮪が不漁で少なく、高くて買えない時に仕方なく残ってるトロを買ってきた。食べた客の某商社・アダチさんがトロと命名。
五、煮蛤(茨城県鹿嶋)
六、浅蜊 沸騰したら素早くザルにあげ、だし汁に砂糖、醤油をまぜたつゆにつけこむ。浅蜊は小さいからつかんで握るようなことから「つかみづけ」(かつては深川寿司と呼ばれた)
七、車海老(熊本県天草)10㎝~15㎝のマキを使用。塩ゆでしてワタをとり、最後にさっと甘酢にくぐらす。
八、鯣イカ 煮る。干瓢で巻いて握る。
九、穴子 握る前に炙る。
十、玉子焼 昔ながらの薄焼きで。


<今日のエア>発祥は和食、ジャンルは富裕食?
エア寿司は鮨そのものだけでなく、店の雰囲気や周りの客も含めたエア店内でいただく。
外国から来た観光客が日本の寿司を食べたいと思うのは当然のことで、銀座の高級寿司屋さんでも外国のかたを見かけることが多い。
この日は中年の中国人夫婦。ダンナさんのほうは日本語が出来るようで職人さんともコミュニケーションがとれてる。漏れてくる話では活動拠点はアメリカらしい。しかも「煮切りは少なめで」なんて注文つけるあたりは寿司にもだいぶ慣れてる。
一方の奥さんはひとつひとつの寿司に目を丸くしながら写真を撮ったりしてる。時おり旦那さんから説明を受けながらうなづく姿は観光客そのものだ。
おそらく、アメリカや日本を行ったり来たりで仕事する旦那さんが、奥さんを連れて日本へ旅行にやってきた、ほぼこれで正解ではないか。奥さんは日本が初めてかもしれない。
よくよく考えてみれば、和食と言われる寿司も銀座の高級寿司店に来る、来れる日本人はわずかだろう。
値段も不明瞭だし、敷居が高い。そう思うからこの暖簾をくぐる日本人はおのずと少なくなる。
そんな一般的な日本の庶民よりも、この日見かけた中国人のほうがよっぽど寿司を知ってるという・・。
グローバル化というのは国境を乗り越えはするが、経済的な境を作るのかもしれません。
食事を終えて店をあとにする際、奥さんが満面の笑みで「バァ~イ」と店員ひとりひとりに手を振っていたのが印象的でした。きっといい旅の思い出になったのでしょう。
吉野鮨カレーは和食.jpg
(写真↑カレーはもはや和食です)