うらやましい老後


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窓が大きい眺めのいいカフェー。
窓際の二人掛け席で話しに花を咲かす老婦人2人。
聞こえてくる声はどちらかというと「てやんでえ」調の威勢のいい感じ。口が悪いのも笑いのうち。
おそらくこの店の常連なのでしょう、注文を取りに来た男子学生アルバイトをからかってしばらく話し込む。
男子学生アルバイトもすっかり顔見知りのようで笑顔で応える。

この季節は陽の進みが早く、さっきまで夕陽が濃く赤くなったと思ったら
もう暗くなり始めてる。
紫の服の老婦人が
「今出れば29分のバス乗れるわよ」
と声かければ、もうひとりは
「今?なんで?」
ととぼけてみせる。

あぁ、なんとうらやましい。ささやかにもこんな老後を送れたら。
人生なんて大したもんでなくていいのだ。
死ぬその瞬間に
「まぁまぁ楽しかった」
と思えれば。

(写真↑そんな私はまたサラダみたいのを食べてる)