あやしい二人(妄想)

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いつものようにコーヒーチェーン店でひと休みしていると、できるサラリーマン風の男女がやってきた。それぞれコーヒーと小腹を満たす程度の小さなパンを持ってカウンター席に2人並ぶ形で陣取った。
会社の中堅としてバリバリ働く年頃のふたり。男性のスーツもオシャレな着こなし、女性もシンプルで身なりのいいスーツ姿。おそらくそれぞれに家庭があって、特に男性のほうなんかは休日には良きパパなんじゃないかと思うくらいだ。
これからどこかへ行くのか、もしくはすでに大きなプロジェクトのプレゼンを終えて会社へ戻る途中なのか、話題は終始、仕事関連。直近の仕事から会社人事のあり方まで多岐に及ぶ。
長い間同じ会社で仕事をしてきた間柄だろうから、それなりに打ち解けて話しをしてる。どちらかというと女性の方が持論を展開し、男性がそれに同意する感じ。
さて、パンも食べ終え、そろそろ行こうかという雰囲気になった時、女性が突然
「コンタクトしてるの分かる?」
と尋ねながら男性に顔をぐっと近づけた。
あまりに近くてドラマならそのまま接吻じゃないかという距離だったが、男性は自然に受け止め
「あぁ、わかる。コンタクトなんだ」
と返す。女性は
「ふーん」
と不敵な笑み。先ほどまでのビジネスちっくな雰囲気とはうって変り、急に男女の雰囲気がし始めたふたり。
なんだなんだ、どういう関係なんだ、そういう関係なのか?
下世話な私はそういう方向で想像することにした。