異様な母親

とある駅のロータリーで出発前のバスが止まっておりました。バスは客の乗降のために前の扉も後ろの扉も開けたままでそこにいます。朝の通勤通学時間帯、ひとりの母親がバスの後ろ扉の前に立って車内に向かって何か大声を発していました。
「※%&#!!」
少し離れたところを通った私も思わず足を止めるほど大きな声です。バスの中へ目をやると、これから学校へと向かう制服姿の中学生くらいの男女が数人乗っています。
どうやら、バスの中にいる自分の子供に向けて怒鳴ってるらしい。

「あんたが一番恥ずかしいことを言ってやろうか、あんたはね、字が汚いんだからいつも学校で@※#$%!!!」

この母子に何があったか分かりません。子供が何かやらかして母親に怒られてる、という構図なのかもしれませんが、それにしてもこんな公衆の面前で、こんなに大声で怒鳴るその姿も、そして相手を陥れようとするその言葉のチョイスもちょっと異様です。字が汚いって、それたぶん関係ないよね。

「!!#%&!さよなら!」
と捨て台詞を残し、母は去っていきました。
身なりのいい、どちらかというと裕福そうな母親でした。きっとこの母はいつもこんな調子で叱ってるのでしょう。
一番心配なのは、こんな風に叱られる子供はどう育っていくのだろう、ということです。