自暴自棄

なぜだかときどき、味噌ラーメンとチャーハンが食べたくなる、とは以前に書いた。ラーメンと半チャーハンではなく、一人前の味噌ラーメンと一人前のチャーハンを食べたくなると以前に書いた。醤油ではなく味噌。これも鉄則。そうなると量も多くなるので歳をとった今では全部食べきれるのかという不安もよぎるが、それよりも食べたいという欲求が打ち勝つのは、何か自暴自棄になりたい心理があるのだと思う。
何か嫌なことがあったのか、発散したい何かがあるのか、自分でもその辺ははっきりとしない。
だけど真面目な青年が祭りの日に不良ぶってみるがごとく、ひとつの垣根を超える感覚がある。

その日は、どこで食べようか探しているうちに精魂尽き果ててしまった。ラーメン店で検索すると一過言あるこだわりのラーメン店ばかり出てくるが、そうでなくて何もこだわらないふつーの味噌ラーメンでいいのだし、そしてこだわりラーメン店には意外とチャーハンがない。
そんなこんなしてるうちに精魂尽き果ててしまった。
精魂は尽きても味噌ラーメンとチャーハンへの欲望は残り火のようにくすぶっている。
そこで思いついたのが、コンビニで2つとも調達するという方法。
ラーメンはカップ麺でいいのだが、チャーハンがあるか問題だ。ダメもとで近くのコンビニを訪ねると、あった、チャーハンが。
これで自分の欲望が満たされる。
こんなささやかなラッキーで喜べる自分は実にささやかな存在だ。
家へ帰ってさっそく食す。
チャーハンは美味しかったけど、ラーメンがイマイチなことに悶々とする。
ささやかなくせに意外とうるさい。