ユーチューバー

YouTuberと呼ばれる人が話題になり始めたころ、おそらく一番人気があると言われている人のユーチューブを見たことがあります。
でも何が面白いのかさっぱり分からず、1分、いや30秒も見ないうちに再生を止めた記憶があります。
登場時のおどけた感じとか、時おり見せるおもしろ風の表情とか、どれひとつとってもこれぽちも面白くないのです。
しかしその後、ユーチューバ―は子供に人気、ということを聞き納得がいきました。YouTubeとしては広告を売りたいがために多くの視聴を求めるのだと思いますが、その対象が子供となると広告としてどこまで訴求できているのか疑問ではありますがそれはさておき、なるほどあのおどけた感じとかは確かに子供たちが喜びそうです。人気があるというのはつまり子供たちに人気がある、ということなのでした。
事実、子供たちが将来なりたい職業にスポーツ選手と並んでユーチューバ―がランクインしてるそうです。

YouTubeという動画の中で面白おかしくいろいろなことを試したり、挑戦したりしてるユーチューバ―、それを見て喜ぶ子供たち。彼らは子供たちにとってどういう存在なのか考えてみた時に、もしかしてこれは我々世代にとってのドリフターズなのではないかとふと思いました。
わたしくらいの年代の人は子供のころ「8時だョ!全員集合」を見て育ったと言って過言ではありません。その後「ひょうきん族」が現れ、漫才ブームなどがありましたが、そのころにはもう中学生で、ツービートやB&Bなどは大人の笑いに感じて、子供のころに培われた笑いは「8時だョ!全員集合」つまりドリフの笑いでした。ドリフがやっていたシンプルでお馬鹿な笑い、「志村うしろーうしろー」で興奮した子供たち。これが笑いの原点でした。

わたしがユーチューバーを見て全く面白くないと思ったり、なりたい職業がユーチューバ―ということに大人が眉をひそめるのと同じく、当時のドリフも食べ物を粗末にしたり等々の理由で当時の大人たちはよく思っていなかった。今のユーチューバ―も当時のドリフも「よいこはマネしないでね」という内容にあふれてる。
つまりこれは、大人がどう思うかは別にしていつの時代にも「子供たちが喜ぶ笑い」というものが必要とされてる、ということ。
そうなるとユーチューバ―の責任はある意味重大です。ドリフで育ったわれわれ世代がおっさんになった今でもドリフ的な笑いをやったり喜んだりするように、ユーチューバ―が今の子供たちの「笑いの原点」となるわけだから。