サイゼリヤ探訪 ~たぶんこれがシエスタ~

この店は窓側がゆるくアーチを描いていて、それ沿いにテーブルも並んでる。ゆるやかなふくらみは空間に余裕と優しさを与え、その先に広がりを感じさせるところはまるで古代ローマの円形劇場のようだ。
昼時をとっくに過ぎた夕方前の時間。大きな窓からは優しい陽がそそぐ。
まばらに座る客たちはそれぞれ思い思いの時間を過ごす。ひとり客が多いせいか店内は比較的静かで、いつものイタリア音楽が鳴り響いてる。
穏やかで、静かに流れる時間は今にでも止まりそうで、それがメランコリックな気分にさせる。
もしかして、これがシエスタというのではないか。ヨーロッパには一度も行ったこともないわたしが、ただ午後に昼寝が出来るといううらやましさだけで覚えたこの言葉。
こんなまどろみの中、たとえ寝なくとも何もしない時間。
店内のイタリア音楽は女性歌手が悲しげに、しかし朗々と歌い上げてる。
時間が、止まる。
(江戸川南篠崎店)