サイゼリヤ探訪 ~思い出の店~

ここはダビデ氏とよく来た店だ。なんの希望もない話をあーでもないこーでもないと議論を交わした場所だ。
ひさしぶりにひとりでの訪問。ここも全面禁煙化されていた。昔は喫煙席と禁煙席がなんの仕切りもなく、ここからこっちは喫煙、こっちは禁煙、と場所で分けてただけなので、実際は店中もくもくしていて分煙の意味がない店だった。
ただ、全面禁煙にするためにはそう宣言すればいいだけなので設備的な変更などは何も必要がない。
空間を仕切って分煙にしていた店では、元喫煙席のエリアを入れないようにして使ってなかったり、すっかり全面禁煙になったのに元喫煙席エリアの入り口にある、あの役に立たないエアカーテンは相変わらずゴーゴーと音を立てて稼働してたり(単独のオンオフスイッチは無い?のだろうか)どこか不格好な感じが否めないのだが、この店は自然だ。実に自然だ。穏やかな午後の時間におしゃべりに花を咲かす女性二人や、書類を見ながらパスタをかき込むスーツ姿の男性。何も変わってません。うちは昔からこうです。とでも言いたげに、来客へやすらぎのひとときを与えてる。タバコなんて吸ってましたっけ?と、とぼけるかのように。

帰りに店を出た時に、外壁が黄色いのに気付いた。
はて、昔からこの色だったっけ?
すごいひさしぶりの訪問だったので自分の記憶に自信が持てなかったのだが、その黄色があまりにキラキラとしていて、最近塗り替えられたであろうことは簡単に推測できた。
夕陽に照らされて輝くまばゆいばかりのキラキラは、まるで新しい出発に胸を張っているようだった。