ガールズトーク

となりの席が近い。
あとから来たのはわたしなのだけどその席しかなかったのでしかたがない。
となり席の、向こう側はだいぶ間があいてるのでそちらへ少しずれてもよかろうに、こちらのテーブルにほぼくっついてる状態だ。わたしが反対側へずれてもいいのだが、一番端なので反対側は壁だ。
となると、となりで向かい合って座る女子二人とおじさんのわたしはまるでひとつの団体のようになる。話など丸聞こえだ。
なんなら話に入りたいくらいだ。

ふたりとも30歳前後だろうか、ひとりはメガネをかけて、似てる女性芸人さんがいたような気がするが名前が思い出せない。もうひとりは髪が肩くらいまでの美人さん。ふたりともシンプルでおしゃれな身なりの綺麗な女性だ。

メガネさんが聞く。
「ねぇ、結婚するの?」
「わかんない」
「それじゃいっしょにいても意味なくない?イメージできる?いっしょにいて子供抱いてるとことか」
「ぜんせん出来ない、いつも仕事で家にいないってのはイメージできる」

年頃の会話だ。
男女の付き合いにおいて「結婚」というものを意識せざるをえない年頃です。

いっぽうのメガネさんのほうは外国人と付き合ってたことがあるらしく
「なんで外国人てあんなにすぐ怒るんだろ、ホントどうでもいいことにすぐ怒る」
はたしてそれは外国人だからなのか、惚れる外国人がたまたま皆そういう人なんじゃないのかと、うっかり会話に入りそうになります。

気の合うふたりはテンポの早いやりとりで会話の内容もめまぐるしく変わっていきます。
おじさん、ついていくのが大変です。
いや、ついていかなくてよいのだけど。