小劇場

いつものように、昔を訪ねてふらふら歩きます。これは年をとってからの趣味です。
この日は新宿あたりをさまようことに。
新宿は劇場がいくつかあるので、非常に思い出深い場所でもあります。
かつて舞台に立った劇場はまだあるのか、探して回ります。
演劇学校の卒業公演をやったところはあった。
卒業後何度も公演をした建物二階の小さな劇場はもうなくなっていて、居酒屋になってた(劇場自体は移転している)
当時付き合っていた彼女が女性たちだけで公演を打った角の劇場もなくなっていた。
役者同士妙に仲良くなったあの公演をやった劇場はあった。
ふと、劇場前に掲示してある現在公演中のチラシを見ると、そこに演劇学校の後輩がいた。
たぶん誰にも見られてないと思うけど、それを見ながら立ちつくす私の顏はニヤけていたと思う。この劇団(プロデュース公演?)がどれくらい有名なのかさっぱり分からないけど、役者として立派に活動してるように感じて、うれしくもあり、懐かしくもあり。

最後に、高校生の時にチャプリンの映画を観に通った小さなイベントスペースを探しに行ったが、さすがに場所がなんとなくしか分からない。なんとかシアターみたいのはあったけど、地下ではなかったしなぁ、と思いながらキョロキョロ歩く。
当時おそらく16mフィルムの、なにしろ無声映画なのでなんにも音がしない中、ただチャプリンの映画が流れ、ときどき小さな笑い声が起こる。ひとつ15分くらいの短編がいくつか上映される。学校帰りに(制服のまま?)そんなとこに出入りしてた高校生。今思うと変わってるなと思う。
ちなみに、こういう遊びで寄り道するのは校則違反です。

ていうか、厚生年金会館ってなくなってたのね。

あまりにいろいろ懐かしくて、次は、名も無い劇団の名も無い公演をふらっと観に行ってみようかなぁと思う。何十年前かの自分がそこにいるかもしれない。
ー川越フーコー