駅そばと女子

鶏のから揚げ蕎麦が名物の立ち食い駅そば屋さんで、それではなく、月見そばを食べる。
私のすぐあとに来たハタチ前後の若い女性は、その名物唐揚げ蕎麦を注文していた。
蕎麦を受け取り、すぐ横のカウンターへ移動し陣取ると、まずはゴムを取り出し、長い髪を後ろに結う。
おそらく彼女は噂を聞きつけわざわざここへ名物を食べに来て、今まさにその唐揚げ蕎麦と相対している。その意気込みと期待を込めて、まるで気合いを入れるかのように最後にキュッと縛った。
そう、それくらいここの唐揚げは大きくてボリュームがあるのだ。